州連合会は、その地域の消費生協の運動の促進と政治的な指導・援助を行なう機関です。
協同組合の実態の具体的なことは、州連合会に行かないと分かりません。
ANCCに直属している事業体、コープ・イタリアの組織はどうなっているのでしょうか。
コープ・イタリアというのは、ANCC傘下の単協の商品についての共同仕入組織です。
ANCC傘下の単協は、すべての仕入、商品開発などの機能をコープ・イタリアに統合しているのです。
したがって商品の仕入、開発が単協の機能となっている日本の生協とはまったくちがっています。
コープ・イタリアの本部はローマではなく、ボローニアにおかれています。
これはボローニアが商品生産の中心地であるということとも関係があります。
コープ・イタリアの機能と組織は、商業機能と内部業務機能の2つが軸となっていています。
商業機能というのは、市場の研究・分析、製品の選択、生産および品質につてのコントロール、販売促進の企画などです。
これに加えて商品の品質管理、専門的な分析、実験、検査の機能も備えています。
コープ・イタリアは、商品政策の全国的なセンターであり、消費者協同組合の競争力を保証し、発展させるために欠くことのできない機能を担っています。
レガに加盟する消費生協は、消費生活協同組合全国連合会(ANCC)をっくっており、ローマに本部を置いています。
ANCCの本部はレガの本部のすぐ裏手にあたり隣り合っています。
本部の組織機構はレガ本部の組織・機構と同じ形態です。
大会が最高機関であり、42年に1度開かれる大会で活動方針が決定され、理事が選出されます。
さらに理事会で、常務理事会、幹部会、会長、副会長が選出されます。
ANCCの場合、この機構に加えて、組織問題部、法制部、財政・管理部、計画・発展部、労働・教育部、組合員・消費者部、情報・出版部の7つの専門部がおかれています。
さらに事業部であるコープ・イタリアがANCCに直属するという形になっています。
ANCCの本部機構は、次のような諸問題について、執行し、指導し、提案し、関係する事柄についての監査を行なうとされています。
1.消費生協の基本的発展方向と計画についての選択
2.統一的な販売政策についての選択
3.社会的・政治的な活動について
4.運動の推進についての提起と評価について
このように書いてくると、いかにも中央集権的な機構のように思えるかもしれませんが、実際は決してそうではありません。
レガやレガに加盟する各分野の協同組合の本部機構は、州段階や各単位生協の自治を最大限に尊重しています。
イタリアの消費生協の活動を具体的に推進するのは組合員です。
組合員の組織活動への参加ということが欠くことのできない重要な課題となっています。
70年代の後半から80年代の半ばにかけて、消費生協はいちじるしく発展し、組合員は急激に増えてきました。
これらの人たちはどんな要求を持って組合に入ってきたのでしょうか。
大会では、これを、「80年代絹合員に入会してきた青年たちは、実際のところ、理念的な動機からというよりはむしろ、具体的な生活の質を高めていきたいという要求にこたえてくれるということを期待して入ってきている」・・・と分析します。
つまり組合員は今日ではまず消費者であり、店舗の顧客なのです。
消費生協は、これまでも組合の参加を促進するために、提供する情報はできるだけ分りやすく、専門語をさけるとか、あるいは直接相談をする機構を工夫するとか、会員の組織に権威と責任を与えていくということに努力してきたといっています。
イタリアにおける組合員の活動する組織はセツィオーネ・ソーチ(組合員の地域運営組織)です。
これを従来日本では「班」と訳してきたこともありますが、これは日本の「班」とはかなり趣が違うものです。
この会員の活動組織であるセツィオーネ・ソーチが、その機能をいかに発揮していくかということが消費者運動の活性化の鍵となります。
大会報告も、「われわれは、以前から、セツィオーネ・ソーチが協同組合の活動において、組合員の民主的な参加を実質的に保障していくことがカギであるという意識をもってきた。セツィオーネ・ソーチは、多くの人たちを決定の過程に参加させ、組織の基礎になっている組合員の要求をよりよく表現せねばならない」・・・とのべています。
経済危機の下で、前進をとげてきたイタリアの消費生協は、急激に増えた組合員をいかに組織し、いかに消費者の自主的・民主的な組織として発展させていくか、という課題に直面しているのです。